ご挨拶
- 第12回最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)
会長 中野 正人
(富山大学医学部臨床教授 兼 高岡市民病院医療局長)
まずは、新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた皆さまに対して、心よりご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆さまに謹んでお悔やみ申し上げます。治療に携われた医療関係者の皆様方に深く感謝申し上げます。
この度、第12回最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)を2022年6月23日(木)~26(土)の3日間に亘り、富山で開催させて頂きます。本学会の会長として運営させて頂ける事を大変光栄に存じます。
本学会は2010年に開催された第1回日本MISt(Society for Minimally Invasive spine Stabilization)研究会が始まりです。学閥・学域を超え、ALL JAPANを合言葉に低侵襲脊椎手術を脊椎治療のスタンダードにするべく立ち上げた研究会です。今や、低侵襲を目的とした治療は、あらゆる医療分野に応用され、その恩恵は従来の治療法と同等あるいは凌駕するに至っています。脊椎疾患に対する治療においても腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡手術から始まり、現在では薬剤の椎間板内注入療法が有効な治療法として確立しています。内視鏡手術や、経皮的椎弓根スクリューの登場、低侵襲側方手術により変性疾患のみならず、外傷、感染、腫瘍性疾患、骨粗鬆症、慢性疼痛へと、あらゆる病態に低侵襲手術は応用されています。日本MISt研究会は下部組織として全国に7つの支部(北海道、東北、関東、中部、関西、中四国、九州)と国際支部があり、低侵襲手術治療の臨床実践、教育、研修ならびに討論の場を多くの脊椎外科医のみならずメディカルスタッフにも提供して参りました。2019年のMISt研究会発足10年を機に、最小侵襲脊椎治療学会(MIST学会)と名称を変更いたしました。従来のMIStのテーマであった手術手技のみならず、診断、理学療法や薬物療法などの保存治療、周術期管理、新技術・新治療などの安全な普及を目的に、①全国学会、地方会、症例検討会、セミナー、若手医師教育セミナーの開催、②脊椎外科医、医療従事者への教育、③多施設研究、④国際連携、低侵襲治療の普及、⑤新規医療機器開発などを今まで以上に広く推進してまいります。2020年2月には第10回記念学術集会“新生MIST―次の10年へ―”を神戸で開催し、600名を超える研究者にご参加頂き盛会となりました。その後、日本でも新型コロナ感染の蔓延により、多くの医療機関で切迫している状況が継続し、講演会・学会開催もweb開催が主流となり、予断を許さない状況が続いておりましたが、国内感染者の減少傾向もみられ、本学会理事長石井賢先生の大変なご努力と会員、協賛企業の絶妙なチームワークにより2021年10月には第11回学術集会を、東京都とwebでのハイブリッド開催として成し遂げることが出来ました。
第12回のMIST学会のテーマは“一期一会MIST-Once-in-a-lifetime chance”と致しました。臨床現場や学会などでの新たな人や新技術との出会いを大切に、一期一会の心構えで常に前進したいと考えております。各種セミナーなどこれまで同様、基礎科学者、若手医師のみならず、看護師、放射線技師など多職種が参加できる会を目指して参いります。昨年2020年秋に富山市で予定されていた第13回中部MISt研究会もコロナの蔓延により延期となり今回第12回MIST学会と合同で開催させていただきます。メディカルスタッフ向けのハンズオンセミナーやセッションも企画しております。また今回応募いただいた抄録より若手医師研究奨励賞およびメディカルスタッフ研究奨励賞を選出し、御参加のサポートを企画しておりますので多くの発表を期待しております。プログラムは、シンポジウム、ディベートセッション、教育研修講演、共催セミナー、会長招宴特別基調講演1~3(頚椎、腰椎、腫瘍分野それぞれの基調講演)、アワードセッション、主題、一般演題、ポスター、ハンズオンで構成されています。特に教育研修講演とセミナー、シンポジウムは、国内外の著名な講師の先生方にご講演頂きますので、是非ともご参加をお願い致します。